1. はじめに(このページの目的)
この記事は、Linuxの学習を始めたばかりの自分が、LPICレベル1の試験に向けて学んだ「ファイル操作の基本」についてまとめたものです。
「ファイルって何?」「コマンドの意味がよくわからない」と悩みながら、自分なりに調べて整理してきた内容を、初心者の視点で丁寧に解説しています。
Linuxの学習初期でつまずきやすいポイントや、コマンドを使う際の注意点も含めてまとめていますので、同じように勉強している方の参考になれば嬉しいです。
2. 作業前の確認ポイント
- Linuxが動作する環境(Ubuntu, Rocky Linuxなど)を用意している
- ターミナルでのコマンド操作に慣れ始めた頃
- 学習目的の検証環境で作業する(誤操作による消失を避ける)
3. 実施手順(ステップ構成)
ステップ1:Linuxでは「すべてがファイル」
Linuxでは、テキストや画像だけでなく、USBメモリやネットワーク通信の仕組みまでも「ファイル」として扱われます。
これは、あらゆる処理を一貫して「ファイルの読み書き」で表現するというLinuxの基本思想によるものです。
ステップ2:ファイルの種類と確認方法
以下のコマンドで、ファイルの種類や属性を確認できます。
ls -l
先頭の文字で種類がわかります:
-
:通常ファイル(テキスト、バイナリなど)d
:ディレクトリ(フォルダ)l
:シンボリックリンク(他ファイルへの参照)c
:キャラクタデバイス(端末、キーボードなど)b
:ブロックデバイス(ハードディスクなど)
ステップ3:ファイルのパーミッション(アクセス権)
パーミッションとは、「誰がこのファイルを読んだり書いたりできるか」という権限のことです。
-rw-r--r-- 1 haru haru 512 Jul 28 12:00 example.txt
この場合:
- rw-:所有者が読み書きできる
- r–:グループが読み取りだけ可能
- r–:その他のユーザーも読み取りのみ可能
ステップ4:ファイルの基本操作
touch file.txt
:空のファイルを作成nano file.txt
:ファイルを編集(初心者向けエディタ)cat file.txt
:内容を一気に表示cp file1 file2
:ファイルをコピーmv file1 file2
:名前変更 or 移動rm file.txt
:ファイルを削除(復元不可)
ステップ5:よくある注意点と落とし穴
- rmはごみ箱を使わない:
rm -i
で確認付き削除を推奨 - 大文字と小文字は別扱い:
file.txt
≠File.txt
- 拡張子に意味なし:中身の種類は
file ファイル名
で確認 - 実行には実行権限が必要:
chmod +x
を使う - 隠しファイルは
ls -a
で表示
ステップ6:ファイルの詳細情報や検索
stat ファイル名
:アクセス・変更日時などの詳細を確認find . -name "file.txt"
:ファイル名で検索grep "文字列" *.txt
:ファイルの中からキーワードを検索
4. 接続確認とトラブルシューティング
現象 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
削除したファイルが戻せない | rm は完全削除 |
事前にrm -i を使って確認 |
ファイルが実行できない | 実行権限がない | chmod +x で権限を追加 |
ファイルが見つからない | 名前の打ち間違い or 隠しファイル | ls -a やfind を使う |
5. 補足情報まとめ(表形式など)
ファイル操作の基本コマンド一覧
コマンド | 用途 | 意味・補足 |
---|---|---|
ls | ファイル一覧 | listの略。カレントディレクトリの内容を表示 |
pwd | 現在の場所を表示 | print working directory の略 |
cd | ディレクトリ移動 | change directory の略 |
touch | 空のファイルを作成 | 既存ファイルの更新日時変更にも使える |
cat | ファイル内容を表示 | concatenate(連結)の略 |
nano | テキスト編集 | 初心者向けのエディタ |
cp | ファイルコピー | 上書き時は注意 |
mv | 移動 or 名前変更 | ファイル整理に便利 |
rm | ファイル削除 | 復元不可なので要注意 |
chmod | パーミッション変更 | +xで実行権限を付与 |
file | ファイルの種類確認 | テキストかバイナリかを判定 |
stat | 詳細情報確認 | 更新・アクセス時間など |
grep | キーワード検索 | ファイルの中の文字列を探す |
find | ファイル検索 | 名前やパスで探せる |
6. まとめ
- Linuxでは「すべてがファイル」として扱われる
- 基本操作はコマンドに慣れることで自然に身につく
- 削除には常に注意。
rm
は取り返しがつかない - 拡張子・大文字小文字の扱いなど、Windowsとは違う点も多い
- 初心者としてのつまずきポイントを1つずつ解決するのが大切
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